AM19(STYLE・TREND・SPORT )
AM19シリーズ(STYLE・TREND・SPORT など)は、ガタのほとんど出ない新型リクライナーである「タウメル2000」 や、「サスペンデッドシェル」 などの新技術を取り入れて製造されている素晴らしいシートですが、設計上の欠点がないわけではありません。
永くお使いいただくために、対策をしておくポイントをご紹介します。
ランバーサポートのエア漏れ
ほとんどのAM19はエアランバーサポートの機能が付いていますが、ゴム製品のため エア漏れによりランバーが膨らまなくなってしまうことが多いです。
多くの場合、ポンプ部のゴム球とリリースバルブのセットを交換することにより解消します。
リリースバルブの逆流防止弁がゴムでできていますが、これが痩せたり外れたりして漏れることが多いです。
外れにくくなっている対策品を使用しますので、耐久性も上がります。
消耗品ですので、現在漏れていなくても交換されるのをお勧めいたします。
サイドサポートが片側しか動かない
中古のSTYLEを探していると、よく「サイドサポートが片側しか動きません」というものを見かけます。
STYLEは片方にサイドサポート調節ダイヤルがありますが(右席用は左に、左席用は右)、ダイヤル側と逆側をワイヤーで繋いで同調するような機構になっています。
ワイヤー接続部のかかりが元々浅いために、背面の中心部を強く押したり、樹脂シェル取付部が割れてシェル全体が後ろに動くようになってしまうと、簡単に外れてしまいます
当店では、組み上げる際に上の画像の用に脱落防止加工を行います。
※この作業はクリーニング基本料金に含みます。
樹脂フレーム取付部のガタつき
AM19は骨格となるスチールフレームに樹脂シェルを取り付けることによって軽さとある程度のサポートのしなりを生み出しています。
樹脂を折り曲げた取り付け部4箇所でスチールフレームにネジ止めされています。
しかし、樹脂部分の折り曲げられている部分がとても薄いため強度が低く、少し横着に乗り降りを繰り返すとその部分がちぎれてしまいます。
上の画像の矢印の部分がちぎれてしまっている図です。
そうなると下の2枚の画像のように、樹脂シェルがぐらついた状態になってしまいます。
サポートも得られなくなりますし、この状態になると STYLEでは サイドサポートの左右同調ワイヤーがすぐに外れてしまいます。
すでに割れてしまっている部分には、下の画像のようにボルト&ナットを用いて固定します。
もともと弱い部分ですので、クリーニングをされる場合には まだ割れていない部分も 予防の為にこのような加工をすることをお勧めいたします。
一箇所¥2,000 です。
カールコード修理
レカロの AM19の”JCモデル”(STYLE-JC等) や ERGOMED-E は、三角形のスイッチボックスで電動リクライニングやヒーターの操作をするようになっていますが、このスイッチのカールコードがよく劣化してしまいます。
被覆が破れて、中の芯線がむき出しになってしまっています。
大きく破れている所以外でも、よく見るとひび割れだらけです
破れが小さいのであれば、自己融着テープやビニールテープなどで巻いてやれば 安上がりですし当面なんとかなります。
でもここまで酷いと、通常ですとシートごとレカロに送って “スイッチASSY” の交換になります。
AM19-JC、ERGOMED-E 共に、スイッチボックスをコントロールボックスで制御しています。
(上の画像の四角い箱で、ICが詰まっています)
カールコードの中の芯線まで破れて、ショートしてしまうとこのコントロールボックスまで壊れてしまいまい、修理がかなり高額になりますので、早めの対応が必要です。
市販のカールコードと交換します。
純正のカールコードは、販売されていた年式によって 太いものと細いもの二種類がありますが、どちらも被覆は弱いので、なるべく引っ張らないように使いたいところです。
レカロに限らずヨーロッパメーカーのゴムや樹脂製品は、日本の高温多湿な環境では耐久性が低い気がします。
交換したコードは、国産メーカーのものですので、しなやかで耐久性も高そうです。
(生産はもちろん海外でしょうが)
レカロに修理に出すより安く済みますので、思い当たる節がある方は是非お問い合わせ下さいませ。
※動作確認が出来ないため、カールコードのみの修理は行っておりません。
クリーニングと合わせてご依頼下さいませ。